第3回 yom yom短編小説コンテスト 

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yomyom 西村編集長のひとこと

作家のみなさんの創作活動に関する質問に、yom yom西村博一編集長がお答えします。質問投稿はTwitterのつぶやきに「#ヨムエブ」のハッシュタグを入れて呟くだけ! 回答は毎週木曜日に更新!

※採用された一問一答は物書きのためのメディア「monokaki」に掲載されます。

※編集長が回答する質問はエブリスタ編集部で集約・編集します。すべての質問に回答できるわけではないことを予めご了承ください。

今週の一問一答


如月一花@1月半ばくらいから仕事出来ます!健康大事!


はじめまして。質問させていただきます。キャラの魅力が引き出せません。キャラ設定を書いてみてますが、まだ足りないような気もします。どうしたらいいでしょうか?よろしくお願いいたします。


#ヨムエブ

2019.1.17


yomyom 編集長


「先行作品の合成物」にならないために

 昨年も「魅力的なキャラクターとは、どのようなキャラクターのことを言いますか?」というご質問にお答えしましたので詳細はそれをご覧頂けければと思うのですが(電子書籍『エブリスタ×yom yom 20,000字小説コンテスト』に収録)、この「キャラの魅力」問題、皆さんにとって本当に切実な問題なのだろうと拝察します。もうほんと、このような機会があるといつでも必ず聞かれますし。

 基本的には、昨年お答えしましたように「キャラの“変さ”とか“ギャップ”の背景として密接に関わってくるドラマがあってこそ、キャラは立つ」というところに尽きると思うのですが、“密接に関わってくるドラマ”ってどうやって発見すればいいのかという部分を、もう少し語らないといけないのでしょうね私は。

 まず最初に前提にしておいていただきたいのは、「魅力的なキャラ」とは「かっこいいキャラ」とは限らないということです。もう死ぬほど嫌なヤツだって、二度と視界に入れたくないようなヤツだって、それが強烈な存在感を持っていれば読者は目を離せない「魅力的なキャラ」なのです。どんなブサメンだっていいのです。顔だの身長だの足の長さだのがなんだ、そんなの人間の実存には何の関係もない!(と、なぜ興奮するのか自分)

 そう、「こういう人間は確かにいる」「人間には確かにそういうところがある」という存在感なんだと思うのですよ大事なことは。

 ですので、身長とか体重とか髪の色とか、あるいは少し猫背だぱっちりした二重だオッドアイだ……みたいなそれっぽいスペックをキャラ設定の中にどれだけ積み重ねても人間像を結ぶには足りませんし、それはつまり先行作品の登場人物の細かな合成にしかならないのだろうとも思います。

 あるいはよく言われる「ギャップ」というもの。ホストなんけど実は極度の女性恐怖症……みたいな設定ですね。それはそれ自体ダメということではないのですが(誰かの“実は”に触れてみたいという欲望は、その人を深く知りたいという思いに他ならないので、とても大切なものだと思います)、それだけでも足りないと思うのですね。闇雲にギャップを詰め込んだところで、それはなんというか現実味の薄さの塗り重ねですので、「いやー、いないでしょそんな人」と読者の視線がどんどん冷たくなって行くことにもなりかねない。繰り返しますが、大切なのは「いる! 確かにいるよ、そういう人」という存在感なのです。

「キャラクターのいる風景」をイメージする

 ではその存在感ってどこから生まれてくるのかと言えば、それはもうヒントにして答えみたいになってしまうのですが、「その人を物語の風景の中でイメージできるかどうか」なのではないでしょうか。

『ヒプノシスマイク』の麻天狼の伊弉冉一二三はですよ、チャラいホストだけど実は女性恐怖症ですよ。だけどそれを“克服するためにホストになり”“努力して”“スーツを着ると女好き”に変貌するようになったわけですよね。ほら、ここには何か書いてみたくなる物語性、キャラの来し方行く末があるでしょう? たとえば、一日の仕事を終えてため息とともにスーツを脱いだ伊弉冉一二三がふと我に返り、「心の中にあの女の笑顔がまだ浮かんで来るのはなぜなんだ……」なんて自問自答し、自分の中の未知の感情に戸惑う物語とか読んでみたいですよ。

 ふたたびあるいは、『TIGER & BUNNY』の次回予告で、虎徹とバーナビ-のミニ設定が毎回繰り出されてきましたよね。「ハァイ! TIGER&BUNNYのティッシュペーパーは2枚重ねて使う方、バーナビーです!」みたいなのです。

“ティッシュを二枚重ねて使う”という設定からは、まあバーナビ-の育ちのよさとか几帳面さとかそんな感じが滲んできて、そういうの気にしない虎徹に「無駄使いだろ」とかいじられたバーナビーが冷たく虎徹を無視するみたいな物語とその風景が浮かんできません? で、その雑な感じに振る舞っている虎徹が実は“いつも深爪ぎみ”だったりするわけで、そうするとさらに「虎徹って本当は繊細なところがあるんだけど、そんな自分が嫌で自分自身で隠しているのかも?」みたいな興味も湧いてきて、「そうだとしたら、なんで『隠さなきゃいけない』と思っているんだろう、そのきっかけになったエピソードとかあるのかな……」みたいな、ほらここにも触れてみたい物語が生まれてくるでしょう? さらにはバーナビーは虎徹のその繊細さを信じているからこそ、バディを組む安心を得ているかも……みたいなことを想像してもいいわけでしょう?

 ほら、キャラ設定はすでに設定された時点で、書かれるべき物語を呼んでいる部分がありますでしょう?

 だから、「魅力的なキャラクターとは何か」みたいなハウツー的定義は(それこそ前回の本欄で記しましたように)話半分で眺めておき、自分の生み出したキャラの小さな物語をいくつも想像して書いて遊んでみたらよいのではないかと思うのです。私がしばしば作家さんに、「どんなシーンが浮かんでますか?」と聞くのは、キャラ設定がどうやって作中人物の人間像に結びついているのかな、ということが知りたいからなのです。

 キャラは設定だけで魅力があるとかないとか言えるものではない気がします。書き手自身がキャラクターをリアルな手触りのある人間として実感できてこそ、そのキャラならではのオリジナルなドラマが生まれてくるのではないでしょうか。


まだまだ皆様からの質問を受付しております!質問の投稿は「#ヨムエブ」でツイート!

スケジュール&賞典

募集期間 2017年9月15日(金) 17:00:00 ~ 2017年11月30日(木) 23:59:59 結果発表 2018年3月16日(金)

●大賞(1作品)
・編集長講評
・yom yom本誌全文掲載
・別冊号掲載
・賞金3万円
●優秀賞(数作品)
・編集長講評
・yom yom本誌抄録掲載
・別冊号掲載
・賞金1万円
●入選(数作品)
・編集長講評
・yom yom本誌あらすじ掲載
・別冊号掲載

募集内容

「yom yom短編小説コンテスト」は、創刊10周年を迎えた新潮社の文芸誌「yom yom」に作品が掲載され、編集長から作品講評がもらえるコンテストです。入賞作品(大賞~入選)は講評と共に、2018年4月号(3月16日配信)のyom yom本誌で紹介されます。また、受賞作品と講評が載る別冊号も刊行され、エブリスタが主催/出展するイベントにて販売します。

さらに、コンテスト募集期間中、「編集長一問一答!」を同時開催!作家のみなさんの創作活動に関する質問に、yom yom西村博一編集長がお答えします。質問投稿はTwitterのつぶやきに「#ヨムエブ」のハッシュタグを入れて呟くだけ!回答は毎週木曜日、イベントページ内に更新されます。

※編集長が回答する質問はエブリスタ編集部で集約・編集します。すべての質問に回答できるわけではないことを予めご了承ください。

【yom yom西村編集長のひとこと】言葉は不思議です。 一人で言葉を獲得する人はいないので、それは明らかに自分の外からやってくるもの。 でも私たちは言葉を使い、自分の内側の様々な感情を表現します。 なので言葉の集合体たる物語は、私たちの外(=世界)と私たちの間に生まれた謎の生命であるわけです。 皆さんの世界と皆さんのDNAがミックスされた未知の生命体に出会えるのは、本当に楽しみです。

yomyom編集長 西村博一 インタビュー

応募要項

1)5000字~20000字の短編小説作品 2)完結必須 3)ジャンルは自由です

※お一人様、何作品でも応募頂くことが可能です。

※非公開作品は審査対象外となります。

※新作推奨ですが、過去作・他の賞で落選した作品を上記の形に再構成して応募戴くのも歓迎です。

※エブリスタ内の公式イベントや、他サイト等の文学賞で過去に受賞した作品は選考対象外とします。

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