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第1章





第六章

2

「随分、早かったな」



「約束だけは守ってください」



瞬ちゃんに別れを告げて沖田さんに指定された場所にやってきた。

もう、何も失うモノは無い…。



もう瞬ちゃんの笑顔を見る事も構ってもらう事も無いんだから…







「なら、ケジメ見せてもらおうか?」




「ケジメ、ですか?」





「今から美波の家に向かって婚約を宣言するよ。

それと、荷物も全てここに運ぶ」





真っ直ぐ、私を見る沖田さんの目は、本気を表わしている。

3

ゴクリと息を飲み込んでしまう。


「弟君と近くにいると何かと困るからね」



「…」



あんな別れ方したから、もう関わらないと思う。


でも、ここで断ったら何をするか分からない。









「分かりました。
荷物まとめて家を出ます」






「それと携帯も新規で買い換える」






瞬ちゃんのそばに居させたくないんだ。

4

何も言い返せない私は、沖田さんの人形なのかもしれない。




沖田さんの車に乗り込んでも会話なんて無くて、ただ頭の中は瞬ちゃんの事ばかり。



今、家にいるかな……。


涼ちゃん着いたかな?


大丈夫、かな…………。


こんなにも瞬ちゃんが、好きだって実感してしまった。
















「…美波っ!!」



車を停めて車から降りると、私の名前を呼ぶ慣れ親しんだ声。

振り返ると昨日の服装のままで、髪も乱れているお父さんの姿。





「お父さん!!」





もしかして………









お父さんは駆け寄ってきて、私をギュッと抱きしめた。

5