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第一章

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第一章

何度か、同じことを繰り返して声をだしていたが、返事がこない。

そういえば、どうしてここにいるのか、思い返してみようと考えた。
数時間前なのかそれとも数分前なのか、思い出せることを想像した。
自分は、何をしていたのか。


普通なら、大学に向かう途中で何かがおこった。 でも、何が起こったか思い出せない。大体、ここはどこなのかさえ検討がつかない。


手探りで、周りを触れてみた。下の方は、平面だ。上には、さらさらした感覚が四角形で間に凸凹がある。歩いてみると、なにかにつまづいた。


背筋が凍りついた。もしかすると…。


勇気を振り絞って、下の方に手を伸ばした。


つめたい。かたい。なんなんだ、これは、まさか、人。死体。


そのとき、初めて恐怖という感覚が生まれた。


「もう、なんなんだよ。ここは、もう嫌だ。誰か、返事してくれ。お願いだから。」
自分でも、どうしていいのか分からないくらいパニックになっていった。

体が震え汗でビッショリになったシャツ。額から何度も拭いてもこぼれ落ちてくる汗。寒いのか暑いのか表現できない感覚。いままで、こんなに汗をかいたことを覚えていない。足が震えてその場で崩れるように倒れしゃがみこんでいた。


「嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。……………………………………………………………………………………………い や だ。…………………………………………………何が?」


幻聴?何が?自分は言ってない?誰が?誰?自分?人?男?女?


「ナニガイヤナンダ?」


空気が変わったような気がした。その時、真っ白になった。意識がスローモーションのように落ちていくように感じられた。

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