/ 24ページ

異世界

(1/11ページ)

異世界

 頭上に広がる、澄み渡った群青色の空。


 その中で光る、小さな星々。


 一見、俺が元居た世界の夜と、何ら変わりはなかった。


 月が二つあることをのぞけば。


 横に並び青白く光る、下弦の月と上弦の月。二つ合わせれば満月になりそうだ。


 そしてその存在が、今俺が異世界にいることを証明する。




「なにぼーっとしてんの!!」




 いてぇ!!


 俺は背後から背中を叩かれ、大きく仰け反った。


 痛みに顔をしかめながら後ろを振り返ると、二つの月を背景に小さな影が一つ。




「あんたが駄々こねるから夜になっちゃったじゃないの!!」




 銀色の髪をポニーテールに結った少女が、俺の鼻先にでこぼこした茶色い漆塗りの杖を突き付ける。


 ふざけんな!


 そもそも俺はお前が提示した条件を呑んだとは言ってない!


 駄々をこねるのは当然だ!




「うるさいわね!下僕が主人に口答えするんじゃないわよ!」




 少女は地平線の先に見える、黒々とした巨大な建物の方を向いた。


 シルエットで見える建物には、いくつかの塔があるのがわかる。


 某アミューズメントパークのアレにそっくりだ。




「罰よ。貴方はあの城まで歩いて行きなさい」

/ 24ページ

異世界

(2/11ページ)

みんなが送ったスター数

0

この作品にスターを送ろう!

明日のスターも待ってます!
(1作品につき1日1回 押せます)

新着ピックアップ

急上昇ランキング|ファンタジー