/ 30ページ

拝啓 .

(1/10ページ)

拝啓 .

「ぼく、まいにちおてがみをとどけてるおとーさんがだいすきだよ」
「だけどどうして?」
「…どうして、もうおてがみをとどけてるおとーさんはいないの?」

「行ってくるよ、はると。」
それが僕の聞いた最後のおとーさんの言葉。
「きちんといいこにしてるんだぞ?」
それが僕が見た最後のおとーさんの笑った顔。


ーーー九番地にて事故がありました。緊急速報です。九番地にて事故がありました。ーーーー
ラジオから聞こえてくる、聞きなれた声。
おとーさんがテレビを買えないから、ラジオでも聞いててくれ、ごめんなはると、って
いつもいつも口癖のように言っていた。
僕はまだ小さくて。
あまりにも弱虫で。
頑張って作った笑顔で、うん、って言うことしかできなくて。
ーーー目撃者の話によりますと、郵便配達の自転車に猛スピードで走ってきた軽トラックが突っ込んでいったようで、容疑者の名前はーーーー
僕は最初、いつもの、いつもと同じような。
僕には関係ない…
ーーー被害者は郵便局勤務の中山 圭太42才と思われます。ーーーー
僕は最初自分の耳を疑った。
中山…圭太…おとーさん。

/ 30ページ

拝啓 .

(2/10ページ)

みんなが送ったスター数

5

この作品にスターを送ろう!

明日のスターも待ってます!
(1作品につき1日1回 押せます)

新着ピックアップ

急上昇ランキング|