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第一幕

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第一幕

わたしがそのお店に初めて入ったのは、夏休みのある一日だった。

その時わたしはまだ中三で、その日は行きたいと思ってた高校の見学会だった。
その高校は家からけっこう離れてて、電車で五駅くらいだった。中学生の世界なんか狭いから、五駅も離れると全く未知の世界だ。自転車なんかじゃとても来れない。

「とりあえず地図さえ見ればなんとか高校にたどりつけるわよ」とか言ってお母さんはわたしを送りだした。
それよりもっと分かりやすく、いろんな中学の制服を着てぞろぞろ歩く一団について行けば、親がついてなくても何の問題もなかった。

 見学会は、初めにブラスバンド部の演奏とチアリーディング部の発表でにぎやかに始まった。それから校長先生のお話と先生の学校説明、その後高校生達による校内の案内とプチ交流会という内容だった。
やっぱり高校のブラスバンドはうちの中学のとは上手さが全然違うし、チアリーディング部なんてうちの中学にはないしで、初めからテンション上がりまくりだった。
高校生徒の交流会もやっぱりテンション上がった。

だって、先輩達は格好良かったのだ!

男子も女子も落ち着いた紺と赤のネクタイをしてて、女子はその下のチェックのスカートは、デザインが同じ三色から好きなのを選んでいい。ついでに秋になればニットベストやセーター、寒くなればきりっとしたブレザー。冬には女子にもスラックスが許可されるらしい。
この高校はわたしの成績よりちょっと上だけど、この制服を着れるなら頑張ろうと心から思えた。

あぁ早くこのダッサいセーラー服脱ぎたい!

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