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第一話 魔王と英雄

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第一話 魔王と英雄

 魔王の城というダンジョンが世界を脅かし始めてから約二十年。各国の王は一騎当千の猛者を四名送り込み、魔王を殺した。

 宗教国家クトゥアス法国からは、大神官ファエル・ミカトリス。

 商業国家ドールギ王国からは、騎士長リーヴ・ラヴァリア。

 技術国家ロピア公国からは、英雄と呼ばれしゼメル公が実子、メルア・ラ・ロピア。

 軍事国家ヴァイア帝国からは、勇者の資質を持った者、クロニア・レプリ。

 個で多を圧倒する一騎当千の猛者達は、各国の命により共闘し、数多の夜を越えて、魔王を殺した。


 魔王の城は、六つの階層からなるダンジョンだった。一階には多量の罠と多数の魔物が影から襲い掛かり、精神的苦痛を与える。

 二階には視界を覆う白い靄が常に発生しており、また一階と同じ量の罠が多数仕掛けられている。魔物は主に植物型、靄を発生させているのも植物型の魔物によるものであり、またある一定の範囲に侵入した者に皮膚を溶かす液体を吐きかける。

 三階は種も仕掛けもない大広間、多数の獣型の魔物が待ち受ける部屋である。奥にある扉の先には同程度の広さをもった大広間があり、そこに三階層のボスがいる。

 四階には目も眩む閃光を発する植物型の魔物が高い天井に敷き詰められ、発光によって姿をより認識しづらくなった精霊が遠方より魔法を放ち襲い掛かる。精霊達を束ねるボスが居り、彼を倒さぬ限り攻撃が止む事はない。

 五階に立ち塞がるは魔王が心血を込めて生み出した最強のボスが一人と、ボスの使役する多数の精霊と魔物達。四階のボスを上回る知略と知性と知識を有した彼を倒さねば、魔王の元へは辿り着けない。魔王が来訪者を望んだ場合を例外として、の話だが。


 数々の試練を乗り越え、害悪の王、魔王を殺した英雄達。

 しかし彼等の内、一人だけは知っていた。魔王とは、只の記号であるのだということを。

 あれがある限り、誰にでも魔王になれるという事実を。

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