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「いきなり過ぎじゃないですか」

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「いきなり過ぎじゃないですか」

それはもう、それはもう突然で...



整理しようとするけれど頭も働かなくて。



私の呑気なお父さんはいつもの優しい口振りで突然言った。



「お前に兄ができるんだよ」

「...は?」



これが普通の反応だろう。
当たり前の様に言ってみせたお父さんと私がいる現在この場所は和風な雰囲気漂う、綺麗な料亭。
学校から帰って来たとたん小奇麗な服に着替えさせられ、無理矢理ここまで連れて来られた。
そして今にいたる。

まぁ、ここまでは私も何とか着いてこられた。
でもお父さんは今明らかにいきなり過ぎる発言をした。

「ちょ、待ってお父さん。兄ができるって...え?は?」

「取りあえず紹介するぞー」

お父さんがそういうと襖が開き、お父さんと同い年ほどの綺麗な女の人と私より少し年上と思える男の子が入ってきた。

「遙、こちら今日からお母さんになる結子さんと、お兄ちゃんになる蒼井君だ」
「初めまして遙ちゃん」

結子と呼ばれた女の人が頭を下げて微笑むと、男の子も軽く頭を下げた。

いやいや、初めましてじゃないよ。
お母さん?お兄ちゃん?

「お父さん、この人と結婚するんだ」



頬を赤らめて言うお父さんとつられて照れる女の人。

後ろの男の子は気まずそうに顔を背けていた。



「そ...ですか...」



いきなりの告白にそう呟くことしか出来なかった。






ー新たな家族と過ごし始めて一週間程たつ。

私だけがいまだに馴染む事が出来ない。

一応のお母さん結子さんともギクシャクしているが、一応の兄の蒼井君とは一度も会話していない。

リビングにいると気まずくて、部屋にこもりがちになった。

家で過ごす時間がツマラナイ。

それはきっと、蒼井君も同じだ。

同じ立場だから。

今日もいつもの様に夜ご飯を終え、部屋に戻るだけ...のはずだった。

「あ、そうだ。遙、蒼井君!」
思いついた様にお父さんが言った。

「明日から俺と結子さんは家を空けるからなー。ちょっと新婚旅行に行ってくる」

...どうしてお父さんはいつもいきなり言うんだ。

正直「は?!意味わかんないんだけど!いきなり何言い出すの?!」くらい怒鳴り散らしてやろうかと思ったけど、嬉しそうお父さんと結子さんを見て何も言えなかった。

「へぇ...」とだけ呟いて部屋に戻る。

私の事はどうでもいいのか...といら立ちながら気付けば眠りについていた。

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