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… 寒露 …

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… 寒露 …


10月8日頃。

1.秋の巻
病院からの出来事




病院で、幸は点滴に一時間つながれていた。

救急車で運ばれてすぐのとき、四十度をこえる熱があったが、いまは三十七度まで下がっている。

血の気の引いていた顔色が、ようやく赤味をおび汗ばんできた。

…色っぽい。


いやいや、不謹慎だから!

さっきビンタをされたのを思い出した。

あれは、やましい内心がばれたんだな…反省。

でも、幸がおれの名前を読んだから、近づいただけ。

うん、そうそう!


そうやって、おれは自己弁護をする。

だって、ほんとうに、下の名前でよばれたから、おどろいた。

夢、見てたのかなあ、おれの…そう考えると顔がゆるんでしまう。


どんな夢だったんだろう!

…ビンタをするような、夢、って、考えたら、すてきな内容ではないよな。

ゆるんでいた顔が引き締まる、反省せねば…


ああ、しかし、苦しそうな呼吸とか、もう、反則技だ!

おれは病床の横で、邪心と戦いながら幸の点滴の落ちるのを見ていた。

さっきのキスで充分だろう、と自分に言い聞かせていると、カーテンがあいた。

看護師さんが顔をのぞかせる。

「笹本さん、気分はどうですか」

点滴の確認をしながら、幸の覚醒を待つ。

「…はい、悪寒が、なくなってるので、だいぶ、楽です」

看護師さんが、はっとして、口元に手をもっていったのをおれは見逃さない。


わかります!!
それは正しい反応です!



笹本さんの寝起きはエロいですよね!

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