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第一話

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第一話

 夢を見た。


 客席のど真ん中に座る私の目の前で、静かに緞帳が上がる。

 緞帳が上がり切ると、そこは駄菓子屋の店内。泣いている幼い少女と、彼女の頭を優しく撫でる老女がいる。

 (これは、幼い頃の私の記憶だ。)

 懐かしい駄菓子屋、泣く私、優しかった祖母。そうだ、これは私が7つの誕生日を迎えたあの日の風景そのものだ。
 違うところといえば、それが舞台上で演じられていること、私が当事者ではなく観客であること、そして、この現状を夢と自覚しているところぐらいだろうか。

 まぁ、そんなことはどうでもいい。黙って観ていようじゃないか。

「みさちゃん」

 祖母が、『私』に優しく語りかける。

「大丈夫、大丈夫。みさちゃんは、ちゃーんと幸せになれるからね」

 泣きじゃくる『私』の背中を、祖母は優しくさする。

 それでも、『私』はただただ泣き続ける。

 いつまでも、

 いつまでも。


「大丈夫。みさちゃんのその『チカラ』は、絶対あなたや誰かのためになるわ」

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