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第1章

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第1章

小学生の時にお母さんと雨上がりの道を歩いていると、水溜まりがあり、そこに写る私の顔の上に数字が並んでいた。

「お母さん…これ何?」

お母さんは覗き込む様にすると笑って告げる。

「ただの水溜まりでしょ?」

お母さんの写る水溜まりに「197」という数字が見えた。

私は、お母さんの背後を見たけど何もない。

もう1度水溜まりを見ると「881016」という数字が見える。

「ねえ、お母さん?やっぱ変だよ?」

「なに言ってるの?置いてっちゃうわよ?」

お母さんは私を置いて歩き出した……

私が水溜まりの数字を見ていると、数字が「880552410」と変わった。

私がそれを母に伝えようとした時、信じられない光景が私の目の前に広がった……

目の前をゆっくりと歩いていたはずのお母さんの真横から、車が急に現れて……

「えっ……」

私は持っていた傘を地面に落としていた。

「お…おか…あ…さん……お母さーん!!」

私が走り出した時に後ろから知らないおばさんに手を引っ張られて強く抱き締められた。

「見ちゃだめ!!」

そのおばさんは私を抱き締めたまま大きな声で叫ぶ。

「誰か!!誰か救急車を呼んでください!!」

私が覚えているのはそこまで……次に気づいた時は、お父さんの背中だった。

「お父さん…?」

私を背負い直すとお父さんは優しく伝えてくれた。

「起きたのか?」

「うん…」

お父さんの背中は何故かいつもより丸まっていた。

「お父さん…私…嫌な夢を見たの……」

お父さんは立ち止まった。

「そうか……」

「あのね……お母さんがね……」

「ああ……」

「車と……」

「車と遠くに遊びに行ったよ。」

「えっ……」

「お父さんな…お母さんにフラれちゃったよ。車とデートで遠くに行くから鈴海(すずみ)と仲良く元気でね……って」

「お父さん?」

お父さんは私を地面に下ろし、強く抱き締めた。

「鈴海…」

「お父さんなんで泣いてるの夢の話だよ?」

言葉とは裏腹に私の顔は涙でぐしゃぐしゃになっていた。

数年が過ぎたある日…私は昔流行ったというポケベルをネットで知り、水溜まりに浮かんだ数字が語呂合わせで「イクナ」「ハハトイロ」「ハハヲココニヨンデ」だった事に気づいた……

あの時…知ってれば……

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