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第一季  始まりの場所

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第一季  始まりの場所

今は桜の香りが気持ちの良い季節…『春』
春風の吹くこの時期も、街中は騒音が響いている。
道路ではクラクションが鳴り響き…
歩道は行く人の喋り声で溢れている…

街を歩く一人の少年は立ち止まり、空を見上げていた。
頭上では桜の花びらが風に舞い
風に吹かれ右から左へとながれていく。

少年の名は『春風 恋』(ハルカゼ レン)
春と云えば、始まりの季節
春と云えば、終わりの季節
恋は最初と最後を飾るこの季節が好きだった。

今日から彼の大学生としての道が始まることとなるが
なにより春は恋愛の季節でもあることを
彼はまだ気付かずにいた…

恋は大学に着いて驚きを隠せず辺りを見渡す。
大学のキャンバスは物凄い人口で賑わい
先輩達がサークルや部活の勧誘を行っていたのだ
右も左も分からないまま勧誘をくぐり抜け教室へと向かう

しかしどこまで歩いても勧誘の声は鳴り止まず
恋はパーカーのフードを深く被り、うつむいて進む
普段からチャラけた彼も、さすがに面を喰らった
やっとの思いで教室に辿り着いたときには
教室も既に同級生達で溢れかえっていた


教室では初対面の者達の自己紹介などで持ちきりの様子
座る場所も選べない状況となっていて
仕方なく目の前の椅子に腰を降ろした。
横長の机に、椅子が三席。
間が開いて二つ隣に女の子が座っていた。
鞄を両腕で抱えるように座っていて、ひどく緊張している様子だった
恋は足を組みかえ、体を横に向けて女の子に話しかける

恋『初めまして。アナタも今日からですよね』

女の子は驚いた様子で横を向き、顔を真っ赤にして小さく頷いた。

恋『俺は春風 恋といいます。…アナタは』
桜『…………紫ノ宮 桜(シノミヤ サクラ)と申します。』

続けて自己紹介する恋に、彼女は小さい声で答えた
恋はニコリと微笑み少しずつ会話を進めた
彼女は内気な性格で、初対面の人間と喋るのが苦手
それに勘付いた彼は、相づちだけで返せる話題で話す事にした
徐々にではあるが、桜の肩の力が抜けてきたように感じる
恋は安心すると子供のようにクシャッと笑った

キーンコーンカーンコーン。

始業を知らせるチャイムが鳴る…
2人はハッとした顔で目を合わせ
笑顔の余韻を残しつつ体を前へと向けた。

この教室が様々な期待の詰まった
大学生活の始まりの場所となる……

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