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【あの日】

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【あの日】

雨が頬を撫でる。
私を慰めるかのように。

雨とは対照的に両サイドにある狛犬は私を責める。
いや、実際に責められている訳では無い。そう感じるだけ。

まるで2人の検事に尋問されているかのような気分になる。

無理もない。

例えるなら法廷。それもただの法廷ではなく、天国か地獄かを決める法廷。

狛犬が検事なら私は被告人。
では、裁判長は?
勿論、私の目の前に。
涙目の裁判長なんて頼りないけど。

仕方ないよね、亜沙夏は昔から泣き虫だったもんね。

亜沙夏の後ろには赤い鳥居。
これをくぐってしまえばもう後には引けない。

物思いにふける私をよそに雨は一段と強くなる。
それでも、私の頭から顔に伝い、
全身に流れ落ちる雨の雫は、
どこか私を包み込んでいるかのように思えた。

優しい雨の音にまぎれて亜沙夏が呟いた。

「どうして。」

私は一瞬で質問の意味を理解した。



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