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第1章

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第1章

 もしも、僕のパパに「時間を巻き戻す力」があったら、僕が生まれる1年前に戻すのかな…。
 もしも、僕のママに「他人を操れる力」があったら、僕の手足を動かそうとするのかな…。
 もしも、僕に「人の心が読める力」があったら、それが知りたいな。

 僕が生まれたとき、お医者さんに言われたんだ。
『この子は脳の病気があります。』って。
『一生、寝たきりですよ。』って。
 ホントだ…。手や足が動かせないや。

 そこで泣いているのは…ママ?
ごめんね。僕のせいだよね。
ごめんね。僕が悪いんだよね。
ごめんね…。

 僕の手が、僕の足が、普通の子のように動いたら、ママは笑ってくれるかな。ママが笑ってくれるなら、僕を操ってくれていいんだよ。

 僕が生まれてこなかったなら、パパはいつもの疲れた顔をしなくて済むのかな。パパが優しい顔をしてくれるなら、僕はいなくてもいいんだよ。

 そんなことを考えていた夜、食卓に大きなケーキ。その真ん中にロウソクが1本。パパとママが向かい合って泣いている。

「ありがとう。生まれてくれて、ありがとうね。」
「生きていてくれて、ありがとうな。」

 お礼を言うのは僕のほうだよ。

 パパ、ママ、ありがとう!!

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