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後がない男

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後がない男


森の中。

「射てっ!」

俺の号令が掛かると、赤い鉢巻きを頭に巻いたゴブリン達の放った矢が、奴を襲った。

不気味な紫色をした肌から、それより少し鮮やかな、同じ色の液体が噴き出す。

「貴様らぁ!」

奴は頭に一つだけある巨大な瞳を血走らせ、怒号を上げた。

「今だゴブ!」

そこへ数匹の魔物が駆けていく。
エリートゴブリンのガブとゴブリン。それより頭一つ大きい体のホブゴブリン達。

「奴の血には触れるな! 毒があるぞ!」

「分かってるゴブ!」

この場にいない俺へそう返したガブは、低い姿勢で自分の頭程の大きさがある敵の拳をくぐり抜けると、手にした銀色の剣で紫色の腹を切り裂いた。

奴の顔が悲痛に歪む。頭に毛はない。鼻は潰れていて、口には鋭い牙が並んでいる。

そこへ更に追い討ち。兜を被った二匹のゴブリンが、奴のすねを棍棒で叩き、その直後に左右から駆け寄った黒鉢巻のゴブリンが短刀で皮膚を裂く。

「ぐうっ! このぉ!」

奴はたまらず声を漏らしたが、それでも歯を食い縛り腕を振り上げた。

そこへ飛び込んだのは黒いローブを纏ったホブゴブリンだ。

地面を蹴ったソイツが敵の眼前でローブの裾を振るうと、突如閃光が放たれる。


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