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「ラーメンは美味しい。醤油は定番。だけど、がっつり食べたい時には豚骨をたのむ。」


「白いお米は日本の心。でもご飯は好きだけどそれだけじゃ物足りない。やっぱり付け合わせに何か、おかずが欲しいよね。」

と、こんなふうな私の味覚は、10億人いる日本人のほとんど全員と共有できる常識だと思っていた。


いや、むしろ、美味しいとか、おいしくないってのは世界人類とも共感しあえると思い込んでいた。


だけど違った。


私たち人間は細かい違いはあれど、みんな、だいたい似たようなものを食べて美味しいと感じ、同じようなものを食べてマズいと感じてんじゃないの、なんていう私の思い込みは、タイの小さな田舎村に旅行した時にあとかたもなく崩れ去ってしまったのだ。



小さい貧しい町の屋台に、ところせましと並べられたゴキブリのフライを見て、さらにタイ人がそれをまるでエビフライのように平気でポリポリ食べているのを見て、その上最悪なことに「君も食べなよ、美味しいよ。」なんて有難迷惑はなはだしくタイ人からゴキブリのフライを勧められた時に私は、人類共通の感覚なんて言う浅はかな考えが、いかにモロイ幻想だったかを思い知らされる羽目になったのだ。

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