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FRAME OUT

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FRAME OUT

大木に体を押し付けると顎を掴んで囁く。

「諦めろ、お前はもう逃げられない」

低く甘く、鼓膜から脳髄を犯すように。

「離して下さいっ」

真正面から睨みつける目に思わずゾクリとする。

そんな目も出来んじゃねーかよ。

自分の舌で艶めかしく自分の口唇を湿らせると、視線でその目を貫く。

ゆっくりと口唇と口唇が重なる瞬間、木に押し付けられて身動き出来ないソイツがオレの浴衣の袖を掴んだ。

重なるか、重ならないか、あと僅かな距離まで顔を近付けるとソイツは目をぎゅっと閉じた。

ほら、もう逃げられない。

掴まえたーー。



「カット!!」



監督の声が夜の神社に響いて、オレはパッとソイツから離れた。

オレ、如月悠也は職業、俳優。
子役上がりのそれなりに売れてる芸能人だ。

さっきオレがキスをしようとしていた相手は、最近売り出し中の若手俳優、篠原セツ。

今日は映画の撮影で夜の神社に来ている。

映画のストーリーは、姉の婚約者役のオレと、その婚約者と恋に落ちる弟の話。

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