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始まり

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始まり

朝、いつもよりも少し遅く家を出た。
もしかしたら、何かを感じたのかもしれない。野生の勘という奴だろうか。
いつもの道を自転車で通る。信号で止まり、地面に足をつけた。何でもない朝の風景。いつもと変わらず、目の前の大きな道路を何台もの車がトラックが通り過ぎていく。
そして、信号が変わった。
ペダルに足をかけ、走り出そうとした。ガクッと、足が落ちてしまう。何やってんだろう、もう1度足をかけて、走り出したその時、数メートル先で、数メートル先の目の前で。
鈍い音。
凹んだ車。
倒れた、人。
広がる赤黒い液体。
どこからか、か細い悲鳴。
思わず自転車から降り、立ち竦む。いつものように、家を出ていたら。足がペダルから落ちていなければ。
目の前の人は、私だった。私だった。
死とは何処にでも、ある。それを拾うのは、紙一重なんだと気づいた、そんないつもと違う一日の始まりだった。

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