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第1話  イエローカンガルーポー

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第1話  イエローカンガルーポー

ハエモドルム科アニゴザントス属の黄色のカンガルーポー(学名:Anigozanthos flavidus)は、別名オーストラリアン・スオードリリー、アニゴザンサス、アニゴザントスと呼ばれている。

細い毛に覆われた先が6つに裂けた筒状の花を咲かせ、その形が「カンガルーの前足」に似ている事から、それが日本での名前の由来になっている。
※カンガルーの指の数は、前足が5本、後足は4本。

和風にも洋風にも使用しやすい花で、花束のアレンジメントから生け花の花材まで多岐に渡っている。

花屋では、南半球からの輸入が多いせいか、秋に見ることができるようだ。


開花時期:3月~6月
花の色:黄色、黄緑色
原産地:オーストラリア

 俺・佐々木 優《ゆう》30歳。
この都市の南側の埋め立て地にある、有名企業の工場に勤める普通のサラリーマン。
親に頼らず、1人暮らし。それにもかなり慣れてきた。
給料も困らない程度にはもらい、趣味関係も広く浅く、それなりに楽しんでいる。
友人関係には、そんなに困ることはないが、女性関係は日照り勝ち。
最近は、彼女なんて面倒なだけだろう、そんな免罪符を掲げて生きている。


 平日は朝から路面電車に乗って通勤し、仲間と仕事をして、帰りは飲みに行く。
休日は趣味に勤しみ、何もなくとも平凡で平和な日常生活。
そんな生活について、俺には不服はなかった。
仕事も趣味も人間関係も順調。このまま定年まで働いて、老いていく。
結婚?そんなものはお互いにお金と気を使うだけで、碌なものではないと聞いている。

 それならば、特に考えなくてもいいだろう、そう思っていた。


 3月28日日曜日。
周囲のあちらこちらで桃色が目につく季節。
仕事は休み。休日出勤はたまにあるものの、基本的には土日休みとなっている。
そんな俺に1通の封書が届いた。送り主は父親…親父の名前になっている。

 俺の両親は同じ県内に住むものの、少し離れている。この時代、封書なんて送らなくたって、電話やメールでいいのに。
そう思いながら俺は座り込み、封を切る。
封筒の中には3枚の手紙が入っていた。

1枚目・・・親父からの手紙
2枚目・・・誰からなのかわからない手紙
3枚目・・・婚姻届?そして何項目かは記載されている。



 婚姻届。なぜそんなものが……。
結婚。一瞬でそんな言葉が頭を駆け巡る。だが、何も聞いていない。
混乱しそうな自分自身を奮い立たせて、そんな思考を遮断する。
まずは手紙を読もう。



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