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1 極めて前向きに検討させて頂くと共に、一切の関与を否定致し

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1 極めて前向きに検討させて頂くと共に、一切の関与を否定致し

 時はゆっくりと、過ぎてゆく。


 ず
 ずず
 ず
 ……
 ず


 そしてそれは果てしなく悠長な、運動だった。


 ずず
 ず
 ず
 ……ず


 鉱物の粒子は水に浸され、水に泳ぎ、互いに擦れ合い削り合った。
 小さな、ほんの小さな粒たち。
 けれどそれは、決して小さな、意味のなき存在ではないのだ。
 そのことを解っているものが、この世界にいったいどれだけいるだろうか。


          ◇◆◇


「ふうーう」女神は頬を桃色に染め、大きく息を吐いた。「今日の酒、いいわ」

「へえ。旨いか」男神は喰う方に専心しながらも興味を示して訊いた。

「旨い」女神は杯を眸の高さに持ち上げ、とろりとした眼差しで答える。「なんていうのかしら……いつまでも、この世に存在していたくなる気分にさせるわ」

「ほう」今一柱の男神も肩をすくめながら言葉を添える。「その酒を供えた人間、相当な強運を授かりし者だのう」

「そうね」女神は杯を唇に運び、堪能する。「この酒を醸した杜氏ともども、あたしの護りの下に置いてやるわ」

「ははは」先の男神は背を丸めて低く笑う。「強運即ち幸運、とは」

「限らねど、な」後の男神が、ほとんど息だけの囁きで続ける。

    

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