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お兄ちゃんと私

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お兄ちゃんと私

「汐見(シオミ)さん、ちょっといいかな?」

放課後、帰り支度をしていた私の元に一人の男子生徒がやって来た。

「突然ごめんね。話があるから、ちょっと来てくれないかな?」

いきなり

“話がある”

と見ず知らずの人から言われ、少し戸惑う。

「本当に、少しだけでいいんだ。ね?頼むよ」

なかなか縦に首を振らない私に、再度頼み込んでくる彼。

見た目優しそうだし、悪そうな人ではないのだろうけど、そう簡単に付いていきたくはない。

ただ、見たところ、彼は私より二つ年上の上級生。
上履きの色がそれを物語っている。

私の通う学校は学年ごとに上履きの色が違う。

私達の学年は赤。
一つ上の学年は青。
二つ上の学年は緑。

彼の上履きは緑色。
知らない人だし、いきなりの呼び出しで戸惑いはあるけれど、上級生の頼みとなれば断るのも難しい。

「汐見さん?」

もう一度、声を掛けられた私は

「……分かりました」

と答えて彼の後を付いていく事にした。



着いた先は屋上。

そして何故か、屋上には他に二人ほど別の男子生徒が居た。

流石に男子生徒三人だけというこの空間に私一人というこの状況はどうかと思う。

入るのを躊躇(タメラ)っていると、呼び出しに来た彼に

「とりあえず入って」

そう促されて背を押された私は、不可抗力で屋上に足を踏み入れてしまった。

バタンとドアが閉まる音を聞きながら、どうしていいのか分からない私は前に進む事か出来ず、その場に立ち尽くす。

「あっちの彼がキミに話したい事があるんだって。話、聞いてやって?」

ドアを閉め、背を押してきた彼は私の肩をポンと叩いてフェンスに寄り掛かっている一人を指差した。

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