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出会い

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出会い

みずがめ座の娘は、外見に似合わず破天荒なところがある。

コンビニを出ると、缶コーヒーを開けて一口飲む。冷たい茶褐色の液体がのど元を通過する時、いつもより苦みがきつく感じられた。

悟史は、コーヒーが特別に好きという訳ではないが、嫌いでもない。コンビニに寄るのは何か買い物がある時はもちろん、雑誌コーナーに立ち寄ることもある。

そんな時は、手ぶらも気が引けるので、コーヒーやペットボトルの飲料を買って帰ることになる。

駅からの帰り道、アパートにほど近いところにあるこのコンビニは、1年前にできた比較的新しい店だ。
もっと駅に近い方が流行るのではないかと思うが、駅の両側にはすでに店があり、新参者を温かく迎えてくれるような気配はない。


恋愛でも、好きになった人に恋敵がたくさんいたら、とても勝ち目がない。そうでなくても決していい男の部類には入れそうにない悟史は、「人は見た目ではない」という言葉を信じてはいるものの、淡い期待にしか過ぎないという現実を何度か味わってきている。

以前立ち寄っていた駅に近いコンビニは、いつも混雑していて、商品を選ぼうにも人と肩が触れ合うことを避けるために遠慮していると、そのことが余計他人の邪魔になったのか、「ちぇ」と舌打ちをされ、「行くの行かないの」と後ろから押され気味に牽制される。

そんなことがあると気の弱さから、買おうとしていた商品陳列棚に行くことができず、途中であきらめて店を出ることになる。

コンビニ店はどこも通路が狭く、向こうの商品陳列棚に行きたいと思ってもレジに並んだ人の列や、手前の商品棚で品物を選んでいる人の後ろを通るのに気後れがする。

新しくできたコンビニは駅から少し離れていて、アパートへの帰り道にある。
駅から15分くらい歩くと人通りもまばら、周囲の明かりもいくらか暗くなる。

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