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第1章 序節 招待状  唯

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第1章 序節 招待状  唯




桜が咲き乱れる4月。

私は、その花びらを翼にして新たな旅に出る。

……なんて大袈裟に表現できるぐらい、高校の入学式は心を華やかにさせていた。

体育館の床は顔が映るほどに光沢があり、上履きの底が擦れるとキュッと鳴く。

バスケットゴールのボードは真っ白で、それは続々と入場する新入生たちの心境を表しているかのようだ。

「これより、記念すべき我が校初の入学式を始めます」

教頭が覇気を伴って放つその言葉通り、私たちにはなにかと煩わしい“先輩”はひとりとしていない。

故に、体育館という大きなカゴの中でも、皆が大空で羽根を広げる鳥のようにノビノビとしているように見えた。

そんな背中を見つめ、我が子の成長にハンカチを握る保護者がチラホラ。

やがて、脈略の無い長話が好きそうな校長が、壇上で熱意を振るいはじめた。

舞台袖には、地元テレビ局のカメラマン。

さも熱く、学生の理想像を語るその横顔を捉えている。

「今日というこの日を誇りにしてほしい。キミたちは、常に次世代の教育理論を邁進する、我が聖光学園の記念すべき第一期生なのだから」



 

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第1章 序節 招待状  唯

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