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二十年前

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   【1】


 (あと少しですべてが終わる)

サイレッドは地下最奥にあるその巨大な扉の前に、仲間達と共に立っていた。

 日本を、世界を支配しようとしていた秘密結社【帝都復興院】の正体は、異次元の国の侵略者だった。彼らの野望を阻止せんと、とある国家プロジェクトが極秘裏に発動した。それが【サイボーグ戦隊サイレンジャー】だ。

 サイレンジャーに選ばれたのは、【帝都復興院】の最初の攻撃により瀕死の重傷を負った五人の若者達だった。彼らは身体の半分を機械化することにより、その命を繋ぎ止めた。それと同時に人並み以上の能力をも手に入れたのだった。

 そのサイボーグシステムを開発した児玉裕介博士、森下冴子博士らによってそのプロジェクトは進められた。五人は厳しいリハビリと訓練によってその能力を開花させた。

 だが、五人は最初から戦士として戦いたいと望んだわけではない。それ以前にサイボーグになりたくてなったワケでもない。本当は死んでいたはずが、たまたま即死に至らず虫の息だったのを救助され、新たな命を吹き込まれてしまっただけのことだった。それをいきなり戦場へ行け、敵を斃せと言われても納得いかない。

 そこで政府関係者は、彼らが助かるために施されたサイボーグシステムが一人に付きどれだけのコストが掛かっているのかを説明した。そして最後にこう言ったのだった。

「一人数十億の借金を一生かけて払い続けるか、それとも国家に協力してそれをチャラにするか」

殆ど脅しと変わらないが、一生かけても払える自信のない彼らは、しぶしぶながらもサイレンジャーとして戦う道を選択したのだった。

 それも、今日で終わる。最初は嫌々ながらに戦っていたが、いつの間にやら、五人で力を合わせて戦うまでになっていた。

轟音の響き渡る地下道を駆け抜け漸くたどり着いた五人の戦士達は、感慨深げにその扉を見上げていた。

「この先にいるんだよな。最後の敵が……」

サイレッドはそっと扉に手を触れた。扉は固く閉ざされ、あ侵入をも許さないと言わんばかりだ。

「そうね……。やっとここまで辿り着いたんだわ」

サイピンクの声は心なしか震えていた。

「それにしても、こんな地下に潜ってるなんて、あいつらはもぐらアルカ?」

「もぐらというより、ゾンビかな」

サイイエローの呑気な言葉にサイブラックが軽いノリで返す。

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