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1:きっかけ

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1:きっかけ

[いつか、どこかの住宅街]


ひゅるりと北風の吹く中、時々くたびれた雰囲気のスーツ姿とすれ違いつつ、
大きな夕日に向かって歩く少年が1人。その手にはコンビニの小さめな袋が1つ。

「あー寒…、もうすっかり冬だな…」

小さく身震いをして、少年は呟く。

「早く帰って…こたつでおでん、だな」


休みの日、小腹が空いてコンビニへ。
おでんを買った帰り道。

目立ったヒトリゴトの他は何の変哲もなく、
現時点では名前すら貰えない[モブ少年A]が
何の因果か"物語の主人公(ヒーロー)"に成り上がっていく未来なんて、
誰が想像できただろうか。

事の始まりは、やはり北風だった。

一際強く、ひゅるる…っ、と吹いた風が少年を急かす。

「うわ、寒…っ! …しゃーない、走るか…」

手元の袋を気にしつつ走り出した少年は
住宅街の角を曲がりかけ、

「ぅわたっ!?たっ、てぁあ!!」

急に現れた人影に驚き、衝突を避けようとするあまり奇声とも悲鳴ともつかぬ声をあげて跳んだ先には、枯れかけた低木の壁が。

そのまま、ばきばきばき、どざぁ…と少々派手な音を立てながら、生け垣に突っ込んだ。

石の壁じゃなくて本当に良かった。他人様の領域は荒らしてしまったけど。

「ってぇ…
ぁ…大丈夫でした、か…、…?」

飛び出してきた影に気遣い、
小枝や枯れ葉だらけの頭で生け垣の中から声を掛けた少年の、
目に、映ったモノは、

「…っ、…? ……??」

オロオロとこちらの様子を窺う…

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