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コスモミロスの猫

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コスモミロスの猫

コスモミロスの黒曜石について
見た目は黒曜石に酷似しているが、高度な知的生命体。
自身での移動能力に乏しく、短距離での移動を除いて、別の物体に寄生、コントロール
して移動する。
多くは動物たちに寄生し、その体を操って移動する。しかし、動物ばかりではなく、一部の植物や人形のような無生物でも動かす事が可能。
 そのメカニズムは謎が多く、今持って不明な点は多い。
(2597年、コスモミロス調査団報告より抜粋)
 
コスモミロス。
てんびん座の恒星グリーゼ581の惑星Cに与えられた名前だ。
地球に極めて近い環境と豊富な鉱物資源を持つことから、多数の移住者が訪れた。
コスモミロスの名は、最初の探査の際に黒曜石が持ち帰られたことから、地球での黒曜石の産地であったミロス島にちなんでつけられた。
しかし、それも過去の話だ。
人類がコスモミロスを放棄して、既に百年が過ぎている。

理沙は散弾銃を油断なく構えて、すり足で廃屋の中を進んでいる。
 油断はならない。相手はいつ何時、どこからどんな姿で襲ってくるか分からないのだ。
    

 理沙は視界の右隅に宙を動くものを見た。それが何かを確認するより先に銃口を向け、引き金を引く。相手の正体を確認する余裕などない。その一瞬の間が即、死につながる。
 轟音とともに発射された弾丸代わりの石つぶては「敵」に命中。相手は地に落ちた。
 理沙は、その残骸に慎重に近づく。
「人形、か…。」
 僅かに原型をとどめている人形の上半身を理沙は見下ろす。その理沙に向かって、黒い塊が人形から飛び出した。理沙の額めがけて一直線に飛んでくる黒曜石を理沙は紙一重で避ける。それでも風圧で、額を浅く切られ、鮮血が飛ぶ。
 先端の赤く染まった黒曜石は空中で反転し、再び理沙に襲いかかろうとした。
 背後からの轟音とともに、黒曜石が砕け散った。
 その背後には小柄な男が散弾銃を構えている。
「油断したな。理沙。」
「父さん…、ありがと。」

 コスモミロスの鉱物は生きている。種類により差はあるものの、地球の動物同様、中には人間に匹敵する知能を備える種も存在する。
 だが、それが分かった時には手遅れだった。
 地球と同じ鉱物と見誤った多くの地球人の乱獲により、コスモミロスの鉱物達、なかんずく高い知能を有する黒曜石の一族は地球人を敵対種族と認識。猛反撃を開始した。
 圧倒的な数の差に加え、地球側にはコスモミロスの鉱物に対する知識が絶対的に不足していた。
    

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