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第1話 自動的な再会

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第1話 自動的な再会

 サイカ・カフクの前には猫がいた。
「姫さま、そろそろお目覚めの時間です」
 サイカは驚いた。猫がしゃべったことにではない。この猫はジェネルだ。生身の猫ではなく、作られたロボット。驚いたのはそう、鏡にうつる自らの姿が見たことのない女の子になっていたからだ。見たことはない、ただどこか自分に似ているようにも感じた。
 女の子が強い口調で言った。
「出るぞ」
 鋭く細い目は鏡の中の自分自身を睨みつけている。
「倒されるために生まれてきた敵たちが待っている」
「ヘスデネミィの準備は整っております」猫が言った。
 ヘスデネミィ。これから搭乗する人型兵器ウィザーズ・ローブの名前だ。
「いいえ、姫さまはすでにローブへと搭乗されております。さあ、そろそろ目を覚ましてください。目の前には、そう、倒されるために生まれてきた敵が立っています」
「おい、はやく動かせ、助けろ」男の野太い声が頭に響く。
 サイカは目を開いた。
 気を失っていたのか。
 体は元に戻っていた。
 強くはない少年の肉体。
 状況を思い出す。
 僕は盗賊で、その中でもしたっぱの使いっぱしり。
 視界が重なりつつ広がる。
 ウィザーズ・ローブと同調していくのがわかる。
 今は倒れているらしい。
 起き上がろう。
 大きな砂埃をあげながら、サイカは乗り込んだヘスデネミィを立たせた。なんだ、簡単じゃないか。ウィザーズ・ローブを動かすのははじめてだった。しかし、意識するだけでいともたやすく動かすことができた。
 向こうでローブ同士が組み合っている。膠着状態か。周りには壊れて倒れたローブがいくつか転がっていた。自動修復には時間がかかるだろう。
「どちらを倒しましょう」あの猫の声。

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