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水のように注がれる陽光はやがて空気上で溶け合って森林を仄かに明るくし、きらきらと水面に反射する。中では魚が泳ぎ、どこからか森の生き物の鳴き声が聞こえた。


白い髪を水ですすいでいると、遠くから父が近付いてきた。ユリ、名前を呼ばれ、水浸かった髪を上げ、左右に首を振った。尖った耳が見え、父が忌々しそうに睨んできた。


「ユリ、お前が今年の生贄に選ばれた」


ユリは目を見開いた。髪から水滴がぽたぽたと健やかな草に落ちる。父は目を逸らして、さも悲しそうにした。


「それは素敵ね!」


しかしユリは、両手を合わせて嬉しそうに声を上げた。父は驚き、彼女を見返した。


白く長い髪、目も白い。ところがそれは間もなく色を変える。後頭部からゆるゆるとひまわりのように明るい黄色に彩られ、瞳も森林に差し込む夕日のように深い黄色に変わっていく。

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