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大きな、大きな予兆

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大きな、大きな予兆

  



 それは、巨大な宇宙空間の只中に、とてもゆっくりと、信じられぬほどの長い時間をかけて、ゆらりゆらりゆらりとその姿を現していった。それは、この広すぎる宇宙の濃い黒色の中にあって、それを全く受け付けぬか、あるいはそれと強く、どこまでも強く一体化しているかのような絶対的な光、青い青い光で自身を静かに、自然に、高らかに誇示していた。清新に浮かび上がるようにも見え、そこに物凄く堅く固着しているようにも見え、何人も正確にはその状態を表現することは出来なかった。


 そしてそれは、太陽の光と共に存在した。太陽の強靭な大光は、無論それだけでなく、その周りにある幾多の星もくっきりと照らしあげた。


 その星々は、熱のある鑑賞者のようにそれの回りを蠢いた。だが、決して近づき触れることは出来ぬ。自身よりも、はるかに豊穣なる光を称えたその星に。



         今を生きる我々は、それが何であるかを知っている。











惑星メド

陽光を受け、一人の女性が落下してきた。物凄い空圧により短く黒い髪は上へと逆立ち、着用している青い服は細身の胴、長い両手足にぴったりと張り付いている。とても目を開けていられる状況ではないが、女性の黒い眼は二つとも、力を入れている風でもなく自然に無理なく開かれていた。そして彼女の目に地上が、次いで小さな湖が迫ってくる。デルガは少し息を吸い込んだ。


シュパ―――――ン


綺麗な音を立てて、デルガの身は頭から湖中へと入った。落下の勢いにより彼女の身は湖底まで到達しようとした。そこでくるりと体勢を入れ替え、両足を底につけ踏ん張り、湖面を見て底を蹴った。


勢いよく垂直に浮かび上がった彼女の肉体は、そのまま湖面を突っ切った。


湖水を浴びたデルガをきらりきらりと陽光が照らす。ゆったりとした飛翔、彼女の身は緩やかに回転し、そのまま目の前の陸地へと降り立った。


「ふう・・・」


    

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