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春の魔法

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春の魔法

枝の先が膨らんだ、さくら。
グラウンドの砂を巻き上げる、少し暖かい風。

高校の校舎。私は2階の教室で1人、外を見ていた。
窓から見る校庭には、あちこちにもう春の気配を感じる。
クリスマスに彼氏がいないって嘆いていたのが、つい昨日の事みたい。

(早いなあ…)

小牧と一緒の委員になって、もう半年が経つ。
大好きで大好きで、1人でいる時なんて悶えちゃうぐらい大好きなのに、私はあいつに憎まれ口ばっかり叩いている。
ハズレのはずの委員決めのくじは、ペアの相手が小牧だったから、私にとってはもう大当たり中の大当たりだった。

(なのに…)

もっと仲良くなりたかったのに結局ケンカばっかりで、あっという間に3月になってしまった。
3年ではクラスが変わるから、一緒のクラスでいられるのも、もしかしたらあと数日になってしまうかも知れない。
(せっかく2人で委員だったのに、何にもできなかったなあ…)
自分のヘタレっぷりが情けない。

明日の卒業式の準備のために、2年の委員である私たちは、放課後残る事になっていた。


「眩しいだろ、ここ」

声で振り向くと、あいつがいた。
嫌そうな顔で、教室に入って来たあいつが、小牧。
「外が気になるんだもん」ヤツの姿を見ただけでドキドキしちゃって、私は窓の外に目をやった。

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