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プロローグ 寒慄

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プロローグ 寒慄

今年は例年に比べて雪が降るのは早かった。

鈍色に重たい雲が青空に蓋をしていて、嫌に柔らかい雪がアスファルトに白い絨毯を編んでいた。
吐く息は白く、噛み合わない歯の根は手を擦り合わせて(しの)がなければならない。 巻いているマフラーはあまり意味が無かった。 きっとカイロを持ってきていたとしても、逆に温かいスープを飲んでいても、体の内外を温めることはできない。
なぜなら、私の心も冷えてしまっているからだ。
私の心臓のグラスいっぱいに注ぎ込まれている『哀』が、寒さへと変換されて私を蝕んでいるのだから。

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