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ハチ公の前 ネオンの照らさない所

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ハチ公の前 ネオンの照らさない所

気付いてしまえば何てことないんだけど、ツタヤの上の大きなテレビ、同じ映像を映してる。
携帯を見る。20秒前から変わらない。メールも着信も着てない。周りは待ち合わせとかこのあとの飲み会をどうするかで盛り上がってる。週末は嫌いだ。
鳴ったような気がして携帯を見る。時間が止まったように一瞬静かになった。
世界から取り残されたような不安と淋しさに辺りを見る。すると痩せた男性が一人腕を組んだままじっと街頭テレビを見ている。同じような匂いを感じた気がした。 私の視線に気付いたのか振り返った。逸らしきれなくて目があう。同じ瞳の色。
私は吸い込まれるように立ち上がり、近づいた。
「貴方も、待ち合わせですか?」自分の声が多少の緊張と期待で震えている。
「多分、君と同じだよ」
と、吸っていたタバコを道に捨てた。
「ユウは、誰を待っているの?」男性は私の名前を呼んだ。
「どうして私の名前を知っているの?」
「君も僕の名前を知っているだろ?」
不思議そうな顔をした。
…確かに、私は知っている。
…私はこの人を待っていたの?
「知ってる。貴方の名前は…」

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