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ボトルシップに僕の空。

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ボトルシップに僕の空。

 
 チャプ......ン。
 
 チャプ......ン......。
 
 ペットボトル越しに透かし見る陽射しが好きだって、言ってたっけ。何だよ、ソレ──あの時は馬鹿にして笑ってやった。
 でも今こうして水の入ったペットボトルを覗いて見上げた空は、ガキの頃、プールの中から見上げたそれと同じにゆらゆら揺れて、馬鹿にできそうもない。

 
 
 ***
「おい!!それ、そう言うんじゃないんだよ!!」
「えぇ?」
 
 姉貴は俺が渋々やった──と言うか強奪された──ボトルシップの口を開けると、台所の蛇口に瓶の口をあて、じゃぶじゃぶと水を入れた。精巧な船の模型が水圧に悲鳴を上げるのが聞こえる様だ。
 微妙に白濁した水道水にかすんで主役であるはずの船の模型はしょぼくれて見えた。
 
「何やってんだよぅ」
「情けない声出さない!!ほら、これが本来の姿って気がしない?」
 
 しないよ、全然......。
 俺は何も言えず、憮然と居間の床に寝転んだ。姉貴はいつもこんな調子。

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