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王宮の騎士

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王宮の騎士

セニコという、山林に囲まれた小さな王国。騎士たちは、迫り来る帝国軍と戦っていた。

「また斬れなかったらしいな」
白い鎧を身に纏った男が言った。
「俺には人を斬る事なんて…出来ない」
赤みがかった黒髪の男は答える。
「人は斬れない、か。俺たちは騎士で、今は戦争をしているんだ。て事は、戦わなきゃなんないんだよ!」
「そんな事言ったって!俺は…」
「お前は甘いんだよ!俺だって好きで人を斬ってる訳じゃない。守りたい者がいるから斬るんだ」
白い鎧の男は熱くなって声が大きくなった。
「スカイ…確かにお前の言う通りだ。しかし、ただ斬り合うだけでこの戦争は終わるのか?」
「まぁ、な。お前の言いたい事も解る。だが、どんな理由があれ俺たちは騎士なんだ!そろそろ割り切れよ、エムアール」
スカイと呼ばれた男は、エムの肩を叩いた。そして長い廊下を歩いていった。
「割り切れ、か」
エムは外を眺めてそっと呟いた。




この頃の俺は、いくら戦争だからといって、人を斬る事が出来なかった。まだ、戦争が始まったばかりの頃の話だ。腕にはそれなりに自信はあった。相手が魔物なら容赦なく斬りつけていただろう。その対象が人に変わった途端俺の剣は鈍った。いや、心に迷いが生じたのだ。そんな迷いを捨てられず、ただ苦悩していた。
しかし、戦争は俺の事などおかまいなしに激化していった。

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