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家出をした。

知らない人ばかりの、見たことの無い、遠い田舎に行きたかった。

学校をサボった。

まだ薄暗いほど朝早くに家を抜け出し、電車に飛び乗って、そのまま、あてもなく、流れ行く景色を眺めた。


ふと降りる気になったのは、車窓から海が見えたからだ。

陽もすっかり昇った頃だった。

車掌に運賃を支払い、私はその無人駅に降り立った。

軽く息を吐いた。がたん、と音がして、電車は去った。

去った電車のほうを振り向くと、そちらにはのどかな丘陵。そして豊かな木々の緑。

人の気配は、無い。

まるで異国に来たような気分だ。

不思議な気分だった。


私は海に向かって、足を踏み出した。

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