十五夜

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「泣いても許してやらない」 恋人の身体を掬う様に抱き上げた真壁は、あっという間に室内へと消えた。 明るく照らされたベランダは何事も無かった様に静まり返っている。 閉じられなかった窓から見えるカーテンが、お互い余裕のなかった事を証明するように揺れていた。 ―― 十五夜  一年で最も明るく美しいとされる月夜の晩に 更けてゆく夜の深さのように 二人の愛も深まるのだろうか―― END
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