ジャマイカンライフ2

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彼はリビングに入ってくると、わたしの前に立った。 「……有給をとったよ。お前のためにな。だが、今はそんなこと、どうでもいい。 なあ、ネネ、浮気をしているんだろう? 今お前がつけたのはSCM、嘘を許さない機械だ。俺もつけている」 「……な、なに言ってるのあなた。頭おかしくなっちゃたの?」 「それはお前さ、ネネ。そんなSNSにハマって、男と遊びまくっているんだろ!?」 「してない! わ、わたしは家事もしているし、アキラの面倒だって見ているし……!」 トオルの鼻息は荒く、目は充血していた。彼は大きく深呼吸をすると、わたしを睨んだ。 「……まあ、そう言うと思ったよ。だから、そのために俺はSCMを購入した」 わたしはトオルの顔とパソコンの向こうのアバターを交互に見た。 「SCMって……わたしに送ったのは、あなたなのね。さっきのアバターも、全部、運営側の人間だなんてバカな嘘をついて! 信じられない!」 「それはこっちのセリフだ。それにまんまと引っかかって、SCMをつけたのはお前だろ?」  
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