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それは、気持ちの良い午後だった。
暖かい春の予感を感じられるようになってきた季節。
昼休み
私は、いつものように机に突っ伏して……
今、まさに眠りの淵に入ろうとしていた。
『亜里っ……亜里っ!!』
誰かが私を呼んでいる。
『……』
ダメだ…眠い……
『亜里ってばっ!!』
肩をゆすられ、私は一気に現実世界に引き戻された。
出そうになる欠伸をかみ殺し、眠い目をこすりながら顔を上げると…
目の前には、仁王立ちの沙希ちゃん。
私の親友、長嶋沙希(ながしまさき)。
興奮したように、私を覗き込んだ。
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