第1章

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それは、気持ちの良い午後だった。 暖かい春の予感を感じられるようになってきた季節。 昼休み 私は、いつものように机に突っ伏して…… 今、まさに眠りの淵に入ろうとしていた。 『亜里っ……亜里っ!!』 誰かが私を呼んでいる。 『……』 ダメだ…眠い…… 『亜里ってばっ!!』 肩をゆすられ、私は一気に現実世界に引き戻された。 出そうになる欠伸をかみ殺し、眠い目をこすりながら顔を上げると… 目の前には、仁王立ちの沙希ちゃん。 私の親友、長嶋沙希(ながしまさき)。 興奮したように、私を覗き込んだ。
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