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慌てて手の力を緩める。
「そうだこれ、俺と一緒に寝てたぞ。変な悪戯するな」
「ああ、可愛かったから並べて写真撮ってたんですよ」
「何やってんだよお前……」
「だって可愛かったんですよ」
「可愛くない」
「またその言い合いしますか」
腕を組んで抗戦の構えを取られて、彬はぬいぐるみを睨んで口をとがらせる。
「……だったら俺も、昨夜写真撮っとけばよかった。お前が光紀君と並んで寝てるの、可愛かったのに」
「……なんの話ですか」
「光紀君独りにしたくなかったから、こっちで一緒に寝たんだよ。三人で、お前真ん中にして」
「なんでオレがセンター……光紀と同衾……」
いや、彬さんと光紀が隣り合うよりはよかったのか、でも、と腕を組んでぶつぶつ言っている。
その引きつり気味の嫌そうな顔は昨夜の光紀と同じで、やっぱり血が全てじゃないよな、としみじみ思う。だって表情どころか言ってる文句だってそっくりだ。
『なんで唯にいがセンター……唯にいとベッドインとか……』
横になってからも宮坂越しにブツブツ言っているのが聞こえたものだ。
単に宮坂がベッドの真ん中で寝ていて、動かしたら起きてしまいそうだったし、起きたら起きたで一緒に寝るなんて嫌だとかなんとかごねて面倒くさそうだったからからそのまま真ん中にしたのだが。と、これは言えない。
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