EP63 破壊神降臨

9/23
6938人が本棚に入れています
本棚に追加
/3000ページ
「何をしていても頭から離れないんだよ。血の匂いと命のやり取りによる高揚感がね。そりゃそうだよね?あたしにとっての一番の欲望は満たされないまま放置され続けているんだから。他のどんな欲を満たそうが、根底にある問題は何も解決しちゃいないんだ。この乾きが潤う筈もない」 シエルは再びルナに視線を移し、告げる。 「魔法使いってやつは戦う為にとにかく強さを求められる存在だけど、それが行き着く所まで行き着いたのがこのあたしさ」 あのカイトとジェイドを軽々とねじ伏せ、そして先程自分が受けた攻撃からも分かるように、目の前のこの人物は間違い無く強い。 アルカディア最強と言われる実力者である事も納得のいく強さだ。 しかし、その目に宿っているものは狂気。 力とは、欲望とは、ここまで人を歪めてしまうものなのか? シエルの話を聞き、彼女の目を見ながら、ルナはそんな事を考えていた。
/3000ページ

最初のコメントを投稿しよう!