epilogue 

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秋学期が始まり、いつもの日常に戻った。 大学に行くと、ゆりちゃんが前のように明るく話しかけてくれた。 私たちの身に起こったことを話すと驚いていたが、それよりも瞬くんと付き合い始めたことを話した日から毎日のように茶化してくる。 「夢ちゃん~!」 そういって、笑顔で駆け寄ってくる瞬くん。 「ゆりちゃん、こんにちは! 夢ちゃんは、今帰り?」 「うん、これから病院に行こうと思ってるんだ!」 「そうなんだ! じゃあ僕も一緒に行くよ!」 「あ~、はいはい! 邪魔者は退散します。 全くお熱いんだから、2人は~!」 そう言うと、ゆりちゃんは照れる私たちに手を振って行ってしまった。 病院までの道、私たちは今日あったことを楽しく話していた。 手を握って、歩きながら話す。 それだけでも、私たちは幸せだった。 怜央くんと誠一さん、そして陽人さんは、病院でリハビリに励んでいる。 3人の努力の結果もあり、もう少ししたらみんな退院できるらしい。 私たちが病院に着くと、すでに恭介さんと璃久さんがきていた。 私たちがお見舞いに行くと、みんなとても嬉しそうにしてくれる。 そして、早く寮に帰りたいと言ってリハビリを張り切ってやっている。 「夢、おなかすいた~。 なにか持ってきてくれた?」 「怜央くんの好きなお菓子持ってきたよ~! そのほかは、夕飯食べれなくなっちゃうから、やめておこうね~!」 そういってお菓子の袋を渡すと、きらきらした目でそれを受け取り、まるでリスのように食べた。 その様子に、私たちはいつも笑ってしまう。 「そこに、先生がやってきた。 「神代くん、大倉くん。 今院内空いてるから君たちも診察しちゃおうか。 ついておいで?」 そう言うと、2人を連れて病室の外に出て行った。 璃久さんと瞬くんは、傷の経過を見てもらうために通院している。 2人は少しずつ治ってきているから心配はないみたいだが、念のため完治するまで診察は続けるらしい。 恭介さんは、寮のことや仕事をしながらも、病院に通って怜央くんと誠一さん、陽人さんのサポートをしてくれている。
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