2人の秘密

1/4
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ

2人の秘密

海岸通り、私と美蘭が歩く。 私と美蘭の手にはアイスキャンディ。 ゆっくりと日が沈んでいく。 少し沈んだ私の表情と美蘭の嬉しそうな表情。 「今日は自転車が14人、宿泊客が8人ゲットできちゃった?」 「美蘭は、ほんとすごいよ・・・いつもありがとう・・・」 「いいのよ、これで真菜がおウチからお駄賃もらったら、私はガリガリ君リッチを 奢ってもらえるんだから」 美蘭は自分の魅力を客観的に知ってる。 「真菜ってさ、演技はうちの部で一番上手いのに、接客になると超固いよね。 やっぱり全然違う能力なんだわ・・・」 私には何もない・・・。何もないくせに・・・。 「東京に行くお金貯めてるんでしょ?」 美蘭が私の顔をじっと見つめる。 「うん。まだ全然だけど・・・」 「ねえ、こないだ3日間、島にいなかったけど、もしかしてさ」 私は短い髪をいじる。 「・・・うん。秋にクランクインする映画オーディション受けて来たの。本州で出張オーディションがあったから」 「やっぱり・・・どうだったの?」 「他の部員には言わないでほしい・・・。今、主人公の友人役で2次選考まで残ってるんだ」 「すごいじゃない!」     
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!