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2人の秘密
海岸通り、私と美蘭が歩く。
私と美蘭の手にはアイスキャンディ。
ゆっくりと日が沈んでいく。
少し沈んだ私の表情と美蘭の嬉しそうな表情。
「今日は自転車が14人、宿泊客が8人ゲットできちゃった?」
「美蘭は、ほんとすごいよ・・・いつもありがとう・・・」
「いいのよ、これで真菜がおウチからお駄賃もらったら、私はガリガリ君リッチを
奢ってもらえるんだから」
美蘭は自分の魅力を客観的に知ってる。
「真菜ってさ、演技はうちの部で一番上手いのに、接客になると超固いよね。
やっぱり全然違う能力なんだわ・・・」
私には何もない・・・。何もないくせに・・・。
「東京に行くお金貯めてるんでしょ?」
美蘭が私の顔をじっと見つめる。
「うん。まだ全然だけど・・・」
「ねえ、こないだ3日間、島にいなかったけど、もしかしてさ」
私は短い髪をいじる。
「・・・うん。秋にクランクインする映画オーディション受けて来たの。本州で出張オーディションがあったから」
「やっぱり・・・どうだったの?」
「他の部員には言わないでほしい・・・。今、主人公の友人役で2次選考まで残ってるんだ」
「すごいじゃない!」
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