ウチの子は普通です

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「今の所、同い年の中で1番大きく成長しているに留まっているので特に問題はありません。なのでこのまま順調に育つよう様子を見るのがいいでしょう。突然食欲が爆発したり、全く食べなくなったりとムラがある時はあるでしょうが、他とは違う成長速度のためそれは気になさらなくていいです。本人が大きすぎる力に順応するためにきちんと段階を踏んでいる最中でもあるので、決して外から無理矢理成長を促すようなことはしないでください。体が壊れるだけでなく、ナタ君の奥底に眠る力が爆発して周りも巻き込みかねません」 カルネが話す横で、セレーネは必死にメモを取る。 思念で、今から重要な事喋るから全て覚えておくように、と言われたので慌ててポケットにしまっていたメモとペンを取り出し注意事項を書き込んでいた。 面談が終わったらちゃんと覚えてるかチェックするからね、というカルネの言葉の重さがとてつもなく怖くて一言一句漏らすものかと一心不乱にペンを走らせる。 さらに怖いのは、セレーネが聞いたことを頭で反芻しながら書くのを「違う、食べたがったら食べさすのはいいけど、吐いても食べたがる場合は少し時間を空けるように促す」と細かく訂正してくることだった。 フォーティスとレクイムへの対応に集中しているためセレーネに対し少々冷たい響きになってしまうのは仕方ないだろうとわかっていても、部屋の雰囲気もあってセレーネは恐怖が拭えずこの場から早く逃げ出したい気持ちになっていた。
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