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プロローグ
心地よく寝ている朝、雀の鳴き声がうるさくて目を覚ました。
机の上に置かれたペンギンの目覚まし時計を寝惚けて見てみると、時刻は六時半。
まだ早いなと思いながら布団を頭まで被せて、雀の鳴き声を少しでもなくそうとしている間に、また微睡みに落ちる。
次に目覚めたのは甲高い悲鳴が一階から響いた時だった。
何事かと思いつつ、飛び起きて二度ペンギンの目覚まし時計を見た僕が今度は悲鳴を上げる。
「うぉおおおい!!」
時刻は八時。
八時半には学園の鬼門番が門を強制閉鎖してしまう。
自宅から少し近いからって油断したのが仇となり、新学期初日で遅刻は遠慮したいので、急いで制服に着替えを始めた。
シマシマのパジャマをベッドに放り投げ、茶色の生地が多い制服をため息を吐いて着る。
そして、王蓮学園の通行印である三角形の金色のバッチを胸辺りに着けたのを確認した後、洗面所に置いてある黒色の歯ブラシに歯磨き粉を少し着け、ひたすら磨きながら一階に降りた。
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