第一章 壊乱の海

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第一章 壊乱の海

男は煙草をくわえながらビルの屋上から遠くを眺めていた。 『チッまだ見つからねぇのか。』男は煙草を吐き捨てて怒鳴った。誰かに言ってる訳では無く、ただたんに苛立っていた。 男の名はバイル・ノーディス。 『チッ俺の力じゃこの程度が限界ってのが更にムカツクな。』 彼は炎の魔導具使いを探していた。同じ魔導具使いとして。 『Oceanring』海をも支配出来ると言われている指輪だ、かと言って誰もが使える訳ではなく魔導具も人を選ぶ。適合率が低い者は喰い潰されてしまうだろう。 『俺の適合率は68%。ギリギリ扱えるぐらいだ、水の術者で良かったてもんだぜ。』 彼も魔術結社の一人である。 『早く潰して次行きてぇんだけどな。』 バイルは呟きながら横にあった貯水タンクを蹴りつける。 貯水タンクは物凄い破壊音と共に粉々になり、水がそこら中に流れ出した。 『チッ』 バイルは靴を濡らしながら場所を移した。
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