戸惑いの隙間

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なのに、 (避けるじゃねぇかよお!!!) 既にニ撃三撃は当たっていてもおかしくない。 関節の動き、身体のバランスの限界を狙って菅城は矢を放ち、自身の魔武器、雷断を振るうも櫛原はギリギリのところでコレを避けるのだ。まぐれでは無いのは菅城は分かっている。 何故なら、櫛原の眼は菅城の動きと矢の動きをしっかりと捉えているからだ。菅城は電気を応用したスピードを持ち、クラスではトップの速さを持つ。そんなこちらの動きをまさか眼で捉えられ様とは思ってもいなかった。 (しかもそろそろ慣れて反撃の気を伺ってやがる。どうやら特訓の効果は嘘じゃねえらしいな) 「サジタリアス!」 「うおっ!?」 考えている間に櫛原の反撃が来た。突き出された矢先が頬掠め、僅かに血が下に落ちる。驚くよりも、菅城はここに好機を見出した。先ほどまで良く見ていた櫛原だったが、攻撃の瞬間はどうやら眼はおろそかになるみたいである。空いたわき腹に潜り込み、そこを突く。さらに追撃で放ったライトニングアロー最後の一本が櫛原を貫いた。 (勝機っ!!) 痺れる櫛原に畳み掛ける菅城。潜り込んだ次に見えた景色は無機質な天井であった。 え、何で? ☆ その一部始終をルーセラだけが知っている。櫛原はライトニングアローを喰らってすぐに足元に置いてあったタウロスのカードを踏んで召喚した事に。そして床から突き上げられた拳が菅城の顔を捉えていた事に。どちらも痛そうだ。 ☆ 思うように動かない身体の感覚がやっと戻る。流石に雷属性の魔法をマトモに食らっては動きが一瞬でも止まってしまう。追撃される所であったが、どうやら櫛原の策が上手くいったようだ。 わき腹の出血を押さえながら仰向けに倒れている菅城を見る。
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