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「ふん。相変わらず鼻につく男ね」
ノゾミは何歩か下がり、俺から距離を取るようにした。
不可解な動きだ。俺は直接捕まえるぐらいの勢いで突進しているのに、何で直線に身を退いた?
俺とノゾミは2メートルほどしか離れていない。このまま突っ込んで押し倒したうえで、プリズン・ハントする方がいいか。
その時だった。ノゾミは、何かを取り出して俺に向かって投げ放ってきた。
「――――!」
目を見開き、飛んできたのが何なのかを把握しようとしたが見えない。
俺は安全策を取り受け止めずに、そのまま横に転がるようにして避けた。
そして、もう一度ノゾミが飛ばした物体を見る。カードだった。
おそらく白紙じゃない。人が閉じ込められたカードだ。
その直後、カードからは光が放たれて人が出てくる。
出てきたのは、俺よりも遥かにガタイの大きく、プロレスラーのような筋肉を持つ男だった。
恩赦機能か……。
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