影と血と

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影と血と

~page1~ 私は今、旅の途中でこの紀行を記している。 なぜ今になってこれを遺そうなどと思ったのかは自分でもわからない。 だが、遺さなければならない。後世に誇れるような世界を創るためには"これ"が必要だと思ったのだ。 はっきりとした目的もない私は、この物語の語り部にふさわしくないのかもしれない。 だが、どうか私に任せて欲しい。 傲慢と罵られるかもしれないが、恐らくこれは私にしかできないのだ。 永い時を生きてきた私にしか。 では、誠に勝手だが《掌の図書館》の力を借りながら、まずはこれまでの経緯を語っていこう。
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