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だけど、それもかなわずに。
「そんなこと言えなくしてやるよ」
少し強引に顎をグイッと引き上げられて、同時に奪われた唇。
海斗の宣言どおり。
暴れていたあたしはすんなりと大人しくなって、何も言えなくなってしまう。
「……んっ」
素直に大人しくなってしまった自分にも。
あたしの扱い方をわかってますって余裕顔の海斗にもイラッとして。
ジタバタと抵抗したところで、敵わないのわかってる。
でも、ズルイ。
海斗のキスは、あたしをすんなりと虜にしてしまう。
悲しいことに、本当に何も言えなくなっちゃう……
火照る頬、潤んだ瞳。
淫らな水音と、時折漏れてしまう甘い吐息。
「…海…斗っ……」
ダメ……
もう、立ってられない。
酸素不足なのか、それとも海斗のキスに酔ってしまったのか。
クラクラとする身体ごと、海斗に抱きつくように崩れ落ちる。
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