第一話脚本

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 ホバーバイクの操縦者は、フード付きのマントをまとっていた。ポンチョのようなマントのため服装は特定できないが、バズーカを片手で担いでいるあたり、ガタイは非常にいいようだ。――ヤツがバズーカを発射した瞬間、フードがはためいて少しだけ顔が見えた。額からあごの近くまで斜めに大きな傷の入った、白髪の壮年の男だった。  弾は幸い、ヒカリたちには当たらなかった。おかげで足を止めずに走り続けることができ、バイクを引き離すことはできた。しかし、まだ追いかけてきているような音がかすかにするため安堵はできない。そして前方には目標としていた倉庫が。地下倉庫と聞いていたはずだが、ユニコよりも少しばかり高い建物が立っていた。ヒカリは瞬時に感知システムに視線を投げると、特に怪しい影が映っていないことを確認した。そして閉まっていたシャッターに、A機はタックルを決めた。 ヒカリ「ふたりとも、中入って! 多分、安全なはず!」  促されるまま、倉庫に入っていくB機とC機。そのまま奥まで進んでいく。A機は立ち上がると、先に入った二機を追おうとした。しかし少しばかり移動したところで爆発音が鳴り響いた。――引き離されても諦めずについてきていたらしいバイクが後方にいて、A機めがけてバズーカを撃ったのだ。 ヒカリ「うわあ!?」 パティ「いやあ!」 モニカ「ヒカリーッ!」  思わず叫ぶ、モニカとパティ。だが、着弾地はA機ではなくその足元だった。それでも、二人が胸を撫で下ろすことはできなかった。A機の足元の床に亀裂が走り、A機は下階へと落ちていってしまったのだ。
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